長年にわたって信頼を
積み重ねてきた取引でもある
地震大国たる日本では、世界的にも高いレベルの制震・耐震技術が確立されているが、中でもメジャーな術の一つに「ブレース材」が挙げられる。簡単に言えば、建物の柱と柱の間に“筋交い型”に入っている鉄骨であり、建物にかかる揺れを効果的に抑制するのに欠かせない存在となっている。
ニッコーでは日鉄エンジニアリング株式会社が開発した「アンボンドブレース」と呼ばれるブレース材向けの鋼管を長年にわたって供給してきた。特殊な緩衝材であるアンボンド材を用いることで、高い制振性・耐震性を実現した製品であり、特に大規模倉庫などの大型案件で用いられることが多いという。
「アンボンドブレース用の鋼管に関しては、それこそ何十年も前から取引がなされていました。近年はさらにニーズが高まっている分野であり、安定してご注文いただいていますから、過去の信頼をしっかり引き継ぎながら、お客さまにさらなる価値を提供しなくてはならないと気を引き締めながら仕事に向き合っています」
と語るのは、2017年に担当営業となった岩波だ。
実はアンボンドブレース向けの取引は、岩波が入社する以前、2014年に大きな転機を迎えた。それまでニッコーとしてほとんど実績がなかった加工を請け負うことになったのだ。