月間100トンの鋼管を出荷するべく
関係者全員がスクラムを組む
フォークリフトは工場や倉庫内で荷物を移動させるのに欠かせない物流機器である。前面に付いているフォークと呼ばれる爪を、パレット(木枠)などの下部に差し込んだ上で、モノを上下させながら移動させていく。それがフォークリフトの基本的な原理だが、そのフォーク(爪)を支える支柱は「マスト」と呼ばれる。重量物を支える根幹を担うだけに高い品質や強度が求められるが、ニッコーでは長年にわたり大手メーカーA社にマスト用型鋼を納入して信頼を集めてきた。
A社の営業を担当する勝山によれば、従来は約12mの型鋼をそのまま納入してきたという。しかし、A社が同業と合併することになり、状況が一変した。
「フォークリフトの新機種に向けたマスト材を任せていただくことになったのですが、合併した企業では加工しやすいように切断された状態で納入されていました。当社もそのスペックに合わせることになり、切断をするという工程を担うことになったのです」と勝山は振り返る。
ニッコークラスター(加工を主体としたワンストップサービス)を標榜するだけに、切断等の加工を行うこと自体は難しいことではない。しかしながら、課題となったのはその量だ。月間100トン以上を出荷する予定だったため、どうやって加工し、どのように倉庫に保管し、いかなる手段で出荷するのか――圧倒的物量を処理するべく、文字通り全員が一丸となってのチャレンジが始まった。